家づくりコラム
2021-11-09 10:46:00
性能とは?
最近どこのハウスメーカでも「性能」を一生懸命提案する傾向にあります。
一番分かりやすいところで言うと「高気密・高断熱」等がそれに当たります。
数字は目に見えて比較しやすいので、売る側も買う側も判断材料として分かりやすいのですが、
家においては「数値」が全てではありません。
図面上どれだけ優秀な数値をたたき出しても、建てる土地の状況や使う素材によって、その数値は
大きく変わってきます。例えば同じ図面を使って家を造っても、この世界に同じ地盤は一つもありませんし、
同じ育ち方をする木は1本もないのです。
そして何より家を造るのはどこまでいっても人の手が介入します。
職人の腕次第で数値は簡単に変化していまします。
そして何より、必ずしも、「数値」=「心地良さ」にはなりません。
仮に気密性が非常に高い家だと、空気が動かない分「湿度」も動きません。
日本の様に湿度が高く、なおかつ一家に一台洗濯機があって、毎日お風呂に入る
生活をしている中で高気密・高断熱の家を造り、全てビニールクロス張り、床はシート張りに
してしまうと、あっという間に結露が発生してしまします。
結露が発生するとカビが発生します。
カビが発生すると、気密性が高い分、家に住む人がカビを吸って、それによって喘息や
アトピーといった健康被害にも繋がってきます。
家は「バランス」なのです。「これだけやっておけば良い」というものではありません。
だからこそ、その地域の傾向をしっかり知り、日の入り方、風の向き等も踏まえた上で
「透湿性」のある無垢の木や珪藻土、漆喰、紙などで家を造ることによって、
安心して住める住まい、永く住める住まいが出来るのです。
性能を追い求めるのも大切かもしれませんが、それ以外の事にも目を向けてみてもいいかもしれませんね。